中村学園大学・中村学園大学短期大学部

テーマ
ダイエット

教えてくれたのは

    大和 孝子
    栄養科学部 栄養科学科大和 孝子教授

    中村学園大学家政学部卒業、管理栄養士、博士(学術)。専門は応用栄養学。ストレスと栄養、冷え症と食との関連などの研究を行っている。平成28年4月より食育館長を務め、地域の健康に寄与する食育講座や学生対象の料理教室等に取り組み、食に関する情報を提供している。

とにかく痩せたいのですがよい方法はありますか?
適性体重なのにダイエットをしようとしていないか
自分の身体を見直しましょう。

現代の若い女性は「痩せたい」願望が強い傾向にありますが、実は1日のエネルギー摂取量自体が足りていない状況にあります(※図1)。これから妊娠、出産を迎える20代・30代の女性がダイエットなどにより痩せているのは深刻な問題で、先進国の中でも日本は出生時体重が2,500g未満の低出生体重児として生まれる赤ちゃんの割合が高く、今や全出生数の約10人に1人は低出生体重児なんです。低出生体重児として生まれた場合、その後の栄養状態も含めた不適切な環境要因などが更に加わると、成長して成人になった時に糖尿病などの生活習慣病を発症するリスクが高くなるといわれています。自分の健康が生まれてくる赤ちゃんの人生を左右してしまうかもしれないことも考えて、本当にダイエットが必要かどうかを見つめ直してほしいですね。

太っているかどうかはBMIの数値を
見ればよいですか?
BMIは肥満の指標でもありますが、健康的な体格が保たれる
「エネルギーの収支バランス」を示す指標としても用いられます。

標準体重の目安として、身長と体重から現在の体型を確認する「BMI」という指数がよく用いられますが、食事摂取基準(1日に必要とするエネルギーや栄養素の摂取量の基準を示すもの)では、健康の保持・増進、生活習慣病予防のために目標とするBMIの指数を表1のように設定しています。
ここに示すBMIは統計学的に「この範囲内であれば最も健康的ですよ」という考え方に基づくものです。日本肥満学会では、BMI指数が25を超えると肥満だと判定しているので、BMIは肥満の指標でもありますが、体重をコントロールして「死亡リスクを下げ、健康的に過ごすためには、この指数の範囲を目指しましょう」ということを意味します。適正なBMIの範囲を知って、健康な身体づくりを心掛けましょう。