自ら立てた「本質的な問い」を
探究する面白さを伝えながら
学生の大きな成長を後押ししたい
栄養科学部 フード・マネジメント学科福田 晋 特命任用教授
PROFILE九州大学農学部卒業、同大学院修了。農学博士。宮崎大学助教授等を経て、九州大学教授、農学部長、理事・副学長を歴任。日本農業経済学会会長や米穀安定供給確保支援機構理事長も務めるなど、食と農の第一線で活躍。2025年4月より現職。専門は農業経済学、食料流通学。食料マーケティングや地域農業に関する実証的研究に従事する傍ら、現在は本学社会連携推進センター長も務め、地域での「理論と実際の統合」を主導している。
農業経済学のエキスパートであり、学科主任や社会連携推進センター長も務めている福田 晋 特命任用教授。
研究内容やゼミの指導などについてお話を伺いました。
研究内容やゼミの指導などについてお話を伺いました。
どのような研究に取り組んでこられたのですか。
専門分野は農業経済学で、その原点は高校時代に大豆ショック(食糧危機)を目の当たりにしたことにあります。天候不順で大豆が不作になり、政治経済的な動きによってアメリカは突然、日本への大豆の輸出をストップし、豆腐の値段も急騰しました。国際情勢の変化が、国内の食料の流通や価格に影響を与えるメカニズムを知りたいと農学部に進み今日に至ります。
研究の柱は、米の需給構造とマーケティングです。米の需要と供給の構造を正しく理解した上で、生産者サイドがどういうマーケティングを行えばより収益が上がるかを追究してきました。代表例の一つが、アジア諸国(香港、台湾、シンガポール等)における日本米のマーケティング調査・研究です。それぞれ異なる食文化を持つ各国の消費者の嗜好などの調査を実施し、各国の需要に合わせた輸出戦略を提言しました。短粒種の日本米よりも長粒米(インディカ米)が好まれる国もあるなど、各国のニーズは様々です。米に限らず農産物全般にいえることですが、ターゲットの需要を把握し、売れる物を生産することが何より重要です。
農林水産省が主導して設立した「公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構」の理事長を10年近く務めていて、産学連携というかたちで国の食料政策の根幹にも関わってきました 。今年4月、農産物・食品の取引においてコストが正しく反映された適正価格の形成を促す「食料システム法」が全面的に施行されます。長年、研究を通じてその必要性を訴えてきたことですので、喜ばしく感じています。
研究の柱は、米の需給構造とマーケティングです。米の需要と供給の構造を正しく理解した上で、生産者サイドがどういうマーケティングを行えばより収益が上がるかを追究してきました。代表例の一つが、アジア諸国(香港、台湾、シンガポール等)における日本米のマーケティング調査・研究です。それぞれ異なる食文化を持つ各国の消費者の嗜好などの調査を実施し、各国の需要に合わせた輸出戦略を提言しました。短粒種の日本米よりも長粒米(インディカ米)が好まれる国もあるなど、各国のニーズは様々です。米に限らず農産物全般にいえることですが、ターゲットの需要を把握し、売れる物を生産することが何より重要です。
農林水産省が主導して設立した「公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構」の理事長を10年近く務めていて、産学連携というかたちで国の食料政策の根幹にも関わってきました 。今年4月、農産物・食品の取引においてコストが正しく反映された適正価格の形成を促す「食料システム法」が全面的に施行されます。長年、研究を通じてその必要性を訴えてきたことですので、喜ばしく感じています。
ゼミなど、学生への指導で大切にしていることを教えてください。
ゼミ指導で重要視しているのは、学生が日常生活の中で抱いた素朴な疑問を、卒論のテーマへと昇華させることです。農業経済や食料経済など社会科学分野では、目の前で起きている事象に対して常に問題意識を持ち、『なぜそうなるのか』という問いを立てることが研究の出発点になるからです。
学生自身が日常で発見した疑問を出発点に、それをゼミでブラッシュアップしていき卒論テーマを設定します。その結果、「コンビニの食品廃棄問題」「昭和レトロな喫茶店が生き残っている理由」といったユニークなテーマが生まれています。 これらを調査やデータ解析といった実証的なアプローチで学術論文に仕上げていくのですが、自ら立てた問いの探究なので学生のモチベーションも非常に高く、より成長できると感じています。
学生には常日頃から「何事も準備を万全に」と力説しています。授業や研究だけでなく何事に対しても周到な準備は自信に繋がりますし、それなくして成果は得られないでしょう。社会に出てからも求められる重要な素養ですので、大学での課題のひとつひとつにも入念な準備をして取り組む姿勢を大切にしてもらいたいですね。
学生自身が日常で発見した疑問を出発点に、それをゼミでブラッシュアップしていき卒論テーマを設定します。その結果、「コンビニの食品廃棄問題」「昭和レトロな喫茶店が生き残っている理由」といったユニークなテーマが生まれています。 これらを調査やデータ解析といった実証的なアプローチで学術論文に仕上げていくのですが、自ら立てた問いの探究なので学生のモチベーションも非常に高く、より成長できると感じています。
学生には常日頃から「何事も準備を万全に」と力説しています。授業や研究だけでなく何事に対しても周到な準備は自信に繋がりますし、それなくして成果は得られないでしょう。社会に出てからも求められる重要な素養ですので、大学での課題のひとつひとつにも入念な準備をして取り組む姿勢を大切にしてもらいたいですね。
自ら立てた「本質的な問い」を探究する面白さを伝えながら、文理の枠を超えた学びで学生の大きな成長を後押ししたい
これからの抱負を聞かせてください。
研究に関しては、蓄積した知見をより広く発信する段階に来ていると考えています。専門的な情報を生産者や消費者に分かりやすく、かつ正確に伝えていくことに注力していきたいですね。ゼミにおいては、学生をもっと食品業界や農業の現場に連れ出したいと思っています。そこで現場での様々な体験を通して知的な刺激を受け、多角的な視点から社会をとらえてほしいと思います。
昨夏、教員と学生が一緒になって学科紹介コーナーを設けて手ごたえを感じました。さらに高校への出張講義なども行い、食品業界との連携が密である点など当学科の特色をいっそうアピールしていければ。『文理融合』の学びの面白さを、よりわかりやすく体験的に伝えていきたいですね。その試みとして、新たに「ヨーグルト」を題材にした学びを「大学基礎演習」に組み込む予定です。ミルクの生産や加工の技術、安全性や衛生面の担保、さらには経済性について、それぞれの分野を専門とする教員が多角的なアプローチをします。このような文理の枠を超えた学びを通じて、学生には『理論と実際の統合』を肌で感じ、社会で活躍できる人材へと大きく成長してほしいと願っています。
昨夏、教員と学生が一緒になって学科紹介コーナーを設けて手ごたえを感じました。さらに高校への出張講義なども行い、食品業界との連携が密である点など当学科の特色をいっそうアピールしていければ。『文理融合』の学びの面白さを、よりわかりやすく体験的に伝えていきたいですね。その試みとして、新たに「ヨーグルト」を題材にした学びを「大学基礎演習」に組み込む予定です。ミルクの生産や加工の技術、安全性や衛生面の担保、さらには経済性について、それぞれの分野を専門とする教員が多角的なアプローチをします。このような文理の枠を超えた学びを通じて、学生には『理論と実際の統合』を肌で感じ、社会で活躍できる人材へと大きく成長してほしいと願っています。
