中村学園大学・中村学園大学短期大学部

「ジュニア競泳選手を対象とした栄養科学セミナー」を開催しました

2022年12月2日

2022年11月27日、本学にて、「ジュニア競泳選手を対象とした栄養科学セミナー」を開催しました。中高生競泳選手とその保護者約80名、小学生選手と保護者約100名の参加がありました。
栄養科学部栄養科学科の熊原秀晃教授と共同研究者の同学部大和孝子教授は、(株)イトマンスポーツスクールと共同研究契約を締結し、2014年から当スイミングスクールでの調査を続けています。選手たちの食事内容等を調べ、身体づくりや競技でより成果が出せる食事の摂り方について調べています。

今回のセミナーは、この食事調査結果のフィードバックとともに、「トップスイマーになるための『補食』~リカバリーのために~」をテーマに講義を行いました。講師を務めるのは、熊原秀晃教授のほか、大和孝子教授、栄養科学研究科博士後期課程の西村貴子さん(管理栄養士・公認スポーツ栄養士)です。セミナーには、熊原研究室のゼミ生と大学院生が入り、参加者の学びをサポートしました。

まず、熊原教授より、調査協力に対する御礼と、競技を行う上で「求める食事」の実態について説明がありました。選手と保護者が共通して特に興味を持っているのは、「疲労回復のための食事」「バランスのとれた食事」であったという今年の調査結果を報告しました。熊原教授は、「これらは競技と成長期の両方に必要な食事であり、日頃の練習とのタイミングで何をいつ食べるのがベターなのかという視点で補食を考え活用することも大切です」と話されました。

中高生の部では、西村貴子さんによる講義が行われました。「普段の食事を見直すポイントは、朝食と補食。特に補食は摂るタイミングと、何を食べるかが重要」と話しました。
補食については、練習の前後で必要な栄養素が違うこと、目的に応じた効果的な補食の選び方について解説されました。朝食については、栄養バランスのとれた朝食をとることで、ケガをしない身体づくりができることを、アスリートの食事の実例を紹介しながら話されました。
また、参加者自身が持参した日頃食べている捕食の食品表示をみながら、エネルギー、糖質、脂質などを計算し補食に適した食品を探るワークを行いました。

小学生の部では、大和孝子教授による講義とグループワークを行いました。
トップスイマーになるための食事の基本は、好き嫌いしないこと、3食きちんととること、自分の身体に適量の食事を食べることです。
大和教授は「栄養素は常に連携プレーをしているので、バランスよく摂ることが大切」と話され、栄養バランスコマを使って、主食、主菜、副菜、果物、乳製品について、何をどのくらい食べたらよいのか、わかりやすく解説されました。
選手達は、食品・料理カードを「練習前に食べるといいもの」、「練習後に食べるといいもの」にわけるグループワークに取り組み、大和教授から解説とアドバイスを受けました。

いずれの講義でも、参加者が熱心にメモをとって講義を聞いているのが印象的でした。自身の食事調査結果を基にした情報提供は、競技力向上へ向けて普段の食生活を振り返るきっかけになったのではないでしょうか。
セミナー後には、各講師に質問する保護者の方も多くみられ、成長期の子どもの食事に対する関心の高さがうかがえました。