中村学園大学・中村学園大学短期大学部

「第21回薬膳セミナー」が開催されました

2023年3月24日

令和5年3月18日、本学7号館において、「自然環境保全とジビエ事業」をテーマに、「第21回薬膳セミナー」を開催いたしました。
日本では森林の獣害が深刻化して害獣駆除が行われている一方、日本の食料自給率(カロリーベース)は依然として40%未満で推移しています。
鳥獣の捕獲対策においても、食糧自給率の観点からもジビエを有効利用を促進することが重要です。
今回のセミナーでは、自然環境とジビエ料理に関連する講師を招き、自然環境の観点から21世紀の食を考えるセミナーが企画されました。

 
【講演内容】
〇「英国における野生動物管理システム、および北海道での自然環境保全活動」
東谷宗光(三井物産フォレスト株式会社 平取山林事務所)

野生鳥獣による農業被害や交通事故被害は深刻化しており、また他の動植物の生態系への影響も危惧されています。
北海道における自身のエゾシカ捕獲対策の実践と検証を紹介しながら、エゾシカの捕獲が自然環境保全に有効であることを説明されました。
また、日本における捕獲対策の体制整備、有効的な食利用、森林保全に向けた今後の取り組みについて講演されました。

〇「ゲーミフィケーションと自然保護教育」
向坂幸雄(中村学園大学短期大学部幼児保育学科准教授)

「ゲーミフィケーション」とは、ゲームではないものに対して、ゲームの要素を適用することであり、教育の分野では、ゲームを活用した反復学習が期待できます。
学習の成果や結果が図りにくい、自然保護・環境教育の分野や、食・ヘルスケアの分野においてはゲームを活用した教育が有効であると提唱されました。

 
〇「日本におけるジビエ料理」
舟木 慧(シークレットレストランKオーナーシェフ)

一流ホテルで15年修行を積み、ジビエ専門店で解体・加工から携わった経験を持つ料理人としての視点で、ジビエ料理の歴史と現状を解説されました。
鳥獣は寄生虫やウイルスを持っており、ウイルスが死滅する温度まで加熱するよう述べられました。また、「鹿肉のシャリアピンステーキ」「ジビエのミートソース」のレシピ2例を紹介されました。

 
〇「鹿肉を使った発酵ジビエ商品開発事業
三成由美(中村学園大学栄養科学部特任教授)

エゾシカは牛肉や豚肉と比べてエネルギーや脂肪含有量が低く、タンパク質、鉄分を多く含んでおり、機能性成分のカルニチンも多く含んでいます。
エゾシカはマイナスイメージも強く、認知度も低いため、マスキング作用がある発酵食品の味噌を使用することで美味しい機能性食品の開発が期待できると提言されました。

 
〇「2050年カーボンニュートラルに向けて 」
吉田浩(西部ガス(株)営業本部お客さまコミュニケーション部長)

西部ガスグループが掲げる2050年カーボンニュートラルのビジョンについて説明され、地域社会との環境保全活動を推進し、その取り組みについて紹介されました。実現を目指す3つの柱として「天然ガスの更なる普及」「ガスの脱炭素化」「電源の脱炭素化」を挙げられました。